9月29日木曜日
今日は、岡部医院の岡部さんと幕張メッセでおこなわれている『ホスピタルショウ』を見に行きました。
現在、愛知県犬山市で『SARA』と名づける施設をデザインしています。
この施設は簡単にいうと”カフェレストラン併設の老人ホーム”となるわけですが、リタイアした人達がもう一度別の形で社会と関わりを持って社会に影響しされながら暮らすことが出来る病院に併設されたレジデンスであり、歴史的な町並みを守りながら犬山の街を活性させる”街創り”の一端をになう建築です。
『SARA』の話しはまた別の機会にするとして…
この施設設計で計画している介護用器具を実際に見て体験する事と新しい介護情報を得るためにホスピタルショウにでかけました。
車椅子にベッド、浴槽と実に様々な機器と考え方が存在しています。しかしどれもデザインがイマイチで「欲しい」と思えるようなものは無く(欲しいという衝動を起こさせることはデザインの一義です)、どうも介助される側より介助する側の論理で作られているようで…。
よく考えれば介助がしやすいということは、介助される側のサービスの質を上げることにも繋がる事になるわけですが、どこか共感が得られなかった。結局、最高の介護は人が人の為にその気持ちと身体を使ってすることしかないので、もう一度そこに立ち返ったうえでそれをさりげなく補助する機能を考えるほかない。やりすぎてはいけない。それと、介護される側にも様々な症状とリクエストがあって、その選択肢を広げていかなければならない。選択肢が多いということは豊かさを表すのだ。
辻村 久信