完成した空間の写真を必ず撮っている。
仕事をはじめた頃は、「写真では空間は解らない」と変な理屈をつけて撮らなかった時期もありましたが、ここ10年くらいはきちんと撮って資料として残す事をしている。
僕は、基本的にフォトグラファーに「どのような写真を撮ってほしい」というようなリクエストはしないし、写真撮影には立ち会うことは無い。信頼できる数人の方にいつもお願いしている。
空間は僕の作品であり、それを使う”事”はクライアントの作品であり、それを切り取る写真はフォトグラファーの作品と考えているからである。だから、すごく良い写真が撮れて感動する時もあれば、そうでない時もある。
良い写真が撮れるかは、きっと写真を撮る人の”心に響く空間であるか”という事が大きく作用する。だから、写真の出来映えはその空間の客観的な評価でもあると思っている。
(辻村久信)