スタッキングチェアー    Horiba special D type

2009-05-19

006+.jpg 015+.jpg


あるものはデザインしない。言い換えれば無いものをデザインする。これが私のデザインに対する原点です。
闇雲にデザインするのではなく、あるものは最大限利用する。

空間をデザインするとき、家具や調度品もデザインします。でも、基本的には既製品の枠の中で選択します。そして、どうしても揃わない、空間のデザインに合わない場合のみデザインします。あるものは使いましょうという「もったいない」の精神?で///

ここに紹介する木製のスタッキングチェアーは、堀場製作所朽木研修センターのメインダイニングに使用したものです。
スタッキングチェアーのデザインは世の中にはたくさんあるのですが、木製のものが少ない。
使われ方のシチュエーションからその強度に要求されるところが多いのか?

この研修センターのコンセプトは「森の中の研修センター」、エコや自然といったところをテーマにしています。
研修オンとオフの使い分けを考えて.会議する場所での緊張感と、リラックスしてコミュニケーションするところでのデザインの使い分けを考えて、しかも「森の中///」というニュアンスを踏襲するバランスをデザインしました。
ダイニングルームは、オーソドックスなデザインの中にスケールアウトしたペンダント照明でウィットを表現しています。このダイニングルームでこのスタッキングチェアーは使われています。
シンプルな構造ですが、このシンプルさが強度を生み出しています。
柔らかな木質の肌触りと優しさが、個々が研修センターであるという事を忘れさせてくれるようです。

(辻村久信)

月別記事一覧Monthly Archives