何の前知識もなく学生達につれられるまま清春白樺美術館にいきました。
そこで出会ったセザール・バルダッチーニの親指。
その事がきっかけで、20代の頃の初めてのパリへの旅行を鮮明に思い出しました。
ポンピドーセンターのジャン・ティンゲリーやニキ・ド・サンファルは僕にとってのアートの先生みたいなものです。
デファンス、ポール・アンドリューの設計したグランダルシュ(新凱旋門)の脇のセザール・バルダッチーニの親指。
セザール・バルダッチーニは空間を意識したアーティストとして、僕の中に現代アートのインプリンティングの様に今も残っています。
ロン・アラッドやマイケル・ヤング、トム・ディクソンがジャンクアートとしてデザインを刺激していた80s、
きっと彼らに影響を与えたセザール・バルダッチーニは圧縮やら膨張やらを繰り返し、既に空間を凌駕しようとしていた様に思うのです。
デファンスの12mの迫力に欠けるけど、置き土産のような、マーキングのような清春白樺美術館/セザール・バルダッチーニの親指。
(辻村 久信)