□新しい和食のカタチ
茶の湯の世界では、よく「真・行・草」という言葉が使われます。これは、直接には、書道の筆法である「楷書(真に相当)・行書・草書」という三種の筆法からきたものです。いわば本来の形(真)から、それを少しくずした形の行書、そして最も字形をくずした草書という三段階の筆法を、茶の湯の世界に当てはめて分類したのが「真・行・草」の分類です。茶室等の日本の伝統的な空間もこの真行草で分類する事ができます。
この和食まつ川は、「草」の空間です。綿々と続く日本の和食文化を継承しながら、現在の日本人のリアルな日常の中の新しい和食のスタイルを目指しています。意味の無い形式を排除し、形骸化していると思われる”和食のスタイル”をくずせるところまでくずし、それでもなお和食店といえるぎりぎりのラインを表現する事で、真に日本の空間とは何かを考え、新しい日本の和食のスタイルを提案しています。
□質の高いカジュアル
カジュアルとは本来正式でない略式の状態を表す形容詞であるが、巷にあふれるカジュアルは安価でルーズな物をさす事が多い様に思う。
ここ和食まつ川は、質の高いカジュアルを提案している。堅苦しくないリラックスできる空間ではあるけれど、その素材やフォルムにはデザインの密度がある。気軽に食事ができるけれどきちんとした素材や料理方法を施されているといった和食まつ川の料理に現れている。
辻村久信
■和食まつ川
〒651-0094
兵庫県神戸市中央区琴緒町5-3-5?グリーンシャポービルB1
TEL:078.222.3999
ランチ:11:30〜16:00(L.O.15:00) ?ディナー:17:00〜24:00(L.O.23:00)
定休日:年末年始