NOTES
浮遊するインテリアのデザイン
私たちをこの地に繋ぎ止める重力.この重力からさえも解き放たれる自由な時間.つくるのはデザインの力かもしれない
与えられた地上7mを浮遊する立方体の空間は,厨房に接する以外は三方向に開かれている.周囲に回廊を設け道路側からの視線(プライバシー)を制御し,それぞれの山側に開かれた借景を確保する客室とその内側には下界とは剥離された大広間をレイアウトした.外部と接するガラスと光の床,千本格子をモチーフにしたシルクスクリーンの幕,吉野スギの間伐材をスライスして張りこんだ(あかり工房 吉野)光壁,幾重にも重なる光のレイヤーに囲まれた空間は,入れ子細工のように重なりながら内側へ向けて重力を軽減させる.中央に位置するロケーションと接しない大広間は,建築の屋根形状(HPシェル工法)をそのまま天井に利用している大空間である.あえて色温度の高いLEDを使用した照明環境とし,月明かりを模したイメージのロケーションを借景している.下方より発光させたカラーガラスの壁にプリントされているのは,江戸唐紙の文様(すすき)をデフォルメしたデザインで,抽象的にススキの原をイメージしている.
このデザインは既存の建築との繋ぎ目であるエキスパンジョイントの目隠しとして,エントランスサインとして,レーザーカットされたファブリックのタペストリー(西清マテリアル)としても利用している.
想像の中で人は,時間を自由に行き来する事ができます.
普段と違う時間軸に"雲の庭kumononiwa"はあります.
SPECIFICATIONS
- WEBSITE
- http://www.kinryu.net/sora/
- 所在地
- 静岡県伊豆市修善寺3455
3455 Shuzenji Izu-shi SHIZUOKA,JAPAN - 撮影
- Nacåsa & Partners
- 平面図