Cloud 9

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NOTES

光のパッケージ

「クラウドナイン」は京都の大学の移転によって新たに開発された滋賀県南草津のJR駅前にあるテナントビルの1階にあるカフェ&バーである。路面に接する1階のメリットは、外部からのアクセスの容易さにある。しかし、いったん内部に入ると、それは人の目にさらされ落ち着かないというデメリットに変わる。今回のような場所にこのような業種を計画する場合に、特にそのバランスが難しいと思われる。

すべてを開放するわけでもなく、また完全に外部との関係を絶ってしまうわけでもない。見えそうで見えない、光は通し、人の動きはわかるが、その表情まではつかむことができない。そのような外壁を、蛍光アクリルをボリカーボネートの中空シートで挟むことによって創りだした。またこの外壁は、夜の闇に浮かび上がる発光体としてそれ自体がサインの役割を果たし、昼間は外壁を透過する陽の光が淡い黄緑色のチェックの影を落とし不思議な空気を空間に充満させている。

店内は、直線で構成された単純な立方体の空間に円柱形をした空間を挿入し、そのズレから生まれる隙間に厨房やトイレを配置した計画でカウンター席とテーブル席をできるだけ大きな一つの空間として、パーティーなどのイベントにも利用できるよう考えた。床や天井、壁ができる素材として、アルミニウムとOSB(オリエンテッド・ストランド・ボード)など少ない素材でシンプルに構成し、光のパッケージを計画した。

SPECIFICATIONS

所在地
滋賀県草津市野路町930
平面図