NOTES
村上 龍の小説の空間をイメージ
ラヴ(旧ア・ルーム・ウィズ・ア・ビュウ)の出店計画はどれも意外性があり、意表をついたものばかりで、いつも客は良い意味で裏切られる快感があるのだが...
新宿ゴールデン街、歌舞伎町1−1−1、住所を聞いて驚いた。歓楽街の真っ直中にある並木道沿いの築不詳木造2階建てアパートの現場の前に立って2度驚き「本当に茶茶やるんですか?」と思った。しかし、その次の瞬間この場所に茶茶をつくるというドラマに稲妻のような衝撃を受けたのも確かだった。
昔読んだ、村上龍のコインロッカー・ベイビーズで、廃墟ビルの最上階のセレブなレストランのイメージが形を変えて現実のものとなって目の前にあった。もうすでにその時点で僕の中のデザインは出来上がっていた。
風景を切り取るように怱然と現れるチタニウムの染色の壁、環境と切りはなされた空間、それは清涼感のある白木の空間、そして床から立ち上がる光による浮遊感、ソファ席のルージーなポジション、そのすべてが洪水のようにどっと押し寄せてきた。
結局のところ、僕はデザイナーでどんな店がはやるのかは分からない。それはその道のプロにゆだねるとして......。しかし、最初のプランの時に、そこに集う人たちの顔が見える、楽しげな光景が現実味を持ってイマジネーションできれば、その店は繁盛するように思う、なんとなく......。
SPECIFICATIONS
- WEBSITE
- http://www.jellyfish.bz/index.html
- 所在地
- 東京都新宿区歌舞伎町1-1-1
1-1-1 Kabuki-cho Shinjyuku TOKYO,JAPAN