NOTES
""月の残像""
陰(かげ)が陽(ひかり)の対極である以上、闇の中でこそ、人は人にとっての唯一の明かりを
感じることができると思うのです。
陽の光りを反射しない新月の夜も記憶の中にある月はその残像として夜空に映るものです。
究極の光りは真の闇の中でしか感じることができないもの...、
もはやそれは記憶でしかないと思うのです。
陰を表現するものに、周りの景色を映し込むブラックガラス、
黒く染色された木質の床と3D処理された壁紙、
それぞれのトーンの黒。
陽に白木のカウンターと格子。
認知できうる最小限の光源で構成される。
この空間は、谷崎潤一郎の『陰影礼賛』にインスパイヤーされた。
ただし、その表現はより未来的なものを暗示しています。"