NOTES

モダンな茶店＝洋菓子を表現する"京都Quality"

京都駅南側の「近鉄名店街みやこみち」の改修に伴って、そのメインエントランスにもなる立地にマールブランシュ＋カフェは計画された。

"京都クオリティー"とは、「有機的であること／無垢であること／時を経て美しくなり得ること／人の手がかかっていること／抽象的であること／思慮深いこと／癒されると同時にこころ乱されること・・・」。

京都文化が持つものづくりやおもてなしの考え方＝京都クオリティーを"洋菓子を販売するカフェ"として表現することをテーマにモダンな茶店を創る。

空間を構成する素材はすべてソリッドなものとし、表層表皮を装飾するのではなく、無垢な素材を"積み上げる"又は"組み込む"といったようにして手仕事をして内部空間に新たな建築を創り上げている。

床壁に使用している煉瓦はタイルではなく煉瓦そのものを積み上げていく、厨房を形成する杉の羽目板は数寄屋大工の手仕事で"なぐり"の加工をほどこして一枚一枚釘を使わず組み込まれている。

明るくモダンでシンプルな空間は、確かな伝統の技術に裏付けされた長い時間軸をも持っている。

伝統を守りながら常に新しいものを取り入れ、時代のムードを的確に捉えてきた京都の文化は、今京都クオリティーとなって"洋菓子の文化"をも包括して新しいモダンな茶店となった。