NOTES
祗園花見小路の石畳を東に露地を入るとそのお茶屋はありました。
古い花街の中で様々な光と影を見送ったであろうこの建物は、
無秩序に増改築を繰り返しながらこの時を待っていました。
時間を経た建物には意思があります。自分の向かおうとする方向を知っています。
その声に耳を済ませばデザインは自然にその姿を浮かび上がらせます。
空間を空間と認知できる最小限の構成要素まで純化します。
そしてそこに最小限度の時代のエッセンスを加えます。
チークの無垢材のカウンターと柔らかなフォルムのモダンな椅子、
質量のある漆喰の天井と抽象化された水辺の草のSHIKIRI。
柔らかな光りに満ちた手漉き和紙の壁と直線的なガラスの床。
伝統的な建築手法とさりげないモダンのエッセンス。
空間は新たな伝統となりうる変容を歩き出すのです。
SPECIFICATIONS
- WEBSITE
- http://www.gion-niti.com
- 所在地
- 京都市東山区祗園町南側570-8
570-8 Gionmachi-minamigawa,Higashiyama-ku,Kyoto,Japan 605-0074 - 撮影
- Nacåsa & Partners / 繁田諭
- 平面図