NOTES
勿体ない、What a waste!京都北山杉磨き丸太の再利用/ごはんや一芯 京都店
ごはんや一芯は、苗から稲、稲から米、薪に火がつき、湯気がおこり 「ご飯」の香りがする古来の日本人の暮らしの中心であった台所=竈(くど)と、 それを囲む食卓の風景を普段使いの現代日本空間で体験することのできる和食居酒屋である。
そのコンセプトに加えてごはんや一芯京都店は、 サイズ違いや傷によってペレットなどに粉砕され燃料となってしまう北山杉の磨き丸太を使い、その表面の絞りの意匠を畝りのある床材として再制作し新しい利用方法を提案している。残る丸太の心材は製材したのち、床材フローリング・縁甲板張りの天井として、余すことなく転用することにより 古来、日本人が持っている「勿体ない」を表現しています。
※北山杉は室町時代 応永年間(1394~1427)頃からつくり始められたといわれ、この北山杉の皮をむき、加工してつくられる北山丸太は千利休により完成された「茶の湯」文化を支える茶室や数寄屋の建築用材として頻繁に用いられるようになりました。
一般的に北山丸太といわれるものには、磨丸太、人造絞り丸太、天然出絞丸太、面皮柱、タルキなどがあり、その特色はとりわけ材質が緻密で木肌が滑らかで光沢があり、干割れが生じにくい等があげられます。
※勿体ない、What a waste!
『もったいない』という言葉は、威厳や重々しさを意味する仏教用語の『勿体/物体』に、否定の言葉を意味する『ない』が合わさったものです。それ故、『勿体ない』とは『その物の本来あるべき姿が失われている』という意味であり、例えば、食事の際にご飯粒を残すことを『もったいない』と言うのは、ご飯粒の本来持つ価値を無意味なものにしているという意味なのです
SPECIFICATIONS
- クライアント
- フードゲート株式会社
- WEBSITE
- http://foodgate.net/shop/isshin.html
- 所在地
- 〒604-8073 京都市中京区大黒町六角通90 ドルチェヴィータ京都六角B1
- 竣工
- 2018年10月18日
- 設計
- 辻村 久信 高野 菜々絵
- 協力
- 設備設計 株式会社ゼネラル
- 施工
- 有限会社御崎工芸
- 撮影
- 繁田諭写真事務所/繁田諭
- 工事種別
- 全面改修
- 用途
- 飲食店舗
- 計画面積
- 206.08㎡
- 工期
- 2018年7月30日〜2018年10月10日
- 施工協力
- 空調設備・給排水衛生設備 株式会社ゼネラル
電気設備 株式会社ゼネラル
厨房計画 株式会社タニコー
照明計画 モデュレックス 池田淳
陶板 株式会社陶光菴 奥田和樹
家具 マジカルファニチャー
蕎麦猪口スツール ヤマカワラタン・フードゲート
竹パーティション 中川竹材店 コンブ金物
北山杉丸太フローリング FUTURA - マテリアル
- 壁 左官仕上げ ジョリパット(藁入り)
外部床 陶板タイル貼り(信楽焼 黒天目)
床 北山杉丸太フローリング(円)、北山杉丸太フローリング(平)、本畳
壁 左官仕上げ ジョリパット(藁入り)
躯体壁 躯体アラワシ クリア塗装
天井 PB12.5下地不燃杉単板貼り(リアルパネル)・AEP
陶板タイル 信楽焼 黒天目 - 平面図